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Vol.11【5/25浅間尾根】
6名
[カトウ氏より]日本最後の浅間尾根は噂どおりの狭く「落ちる」ルートであり、またそれ自体が東京都のテリトリーにあるとは本当に信じがたい山でした。誰もが谷への魅力に取り付かれ吸い込まれてしまうと言う名所ですが、私は落ちる事への恐怖から「自分だけは落ちまい」と心に決め全神経を集中させ走行しました。狭いトラックを凝視すればするほど変な力が入り、何てこと無い場所で見事に谷へダイブしました。
通常山で転倒する場合は岩などに引っ掛けて前転するとか、バランスを崩して倒れてしまうというパターンが多くなる。
そのような転倒に対しては何だかの受身や転倒姿勢をとることが出来ます。しかし、谷へ落ちると言う事は重力によって枝などに引っかからない限りどこまでも落ちてしまう。
それに今まで走行していた慣性エネルギーが加わればもう自分で転倒を制御する事は出来ません。幸い誰にも見られず、また怪我をするような事もありませんでしたが、コントロールを失い落ちる瞬間の恐怖はなんとも嫌なものでした。
さて、今回も含め今まで走ったルートは隊長や歴代メンバーの方が築き上げてくれたルートであり私はその美味しい部分だけを味わっているようでした。自転車に乗るだけでなく沢山の素晴らしいメンバーと知り合え最近はなんとも言えない幸せを感じています。
デジタル化されたコミニケーション手段は人のフィールドを広げる反面人が直に触れ合う機会を減らします。大人が山で泥だらけになりスリ傷を作り帰る頃には始めて会ったメンバーも仲良くなれる。こんな付き合いが出来る人は今の時代少ないのではないでしょうか?
このような場を提供していただいた事や、一緒に走っていただきサポートしていただいたメンバーの皆様にとても感謝しております。
カトウ
[△コメント]過酷な状況の中で自身の能力を知ることは、己と見詰め会うことそのものである。臆病な自分を押し落とす勇敢に成りたい本心がいるのだ。ビジネス現場でも同様な賭け事をしているはずだが、そこでは結果が遅れて、また期待はずれに現れる事にストレスを感じていく。努力との間にギャップが出てきがちなのだ。山活動ではその結果が数秒後に訪れる。選択と結果確認の連続だ。希望と恐怖のバランスをコントロールする必要があるのだ。
さては自身の恐怖感が一番の敵と知ることとなる。だから成功を積み重ねれば、達成感は格別。走りが寡黙であるとか、協力姿勢とか、言い訳してしまうとか、自己顕示していくとかは、全てその人の生きる姿勢までも現す。辛い思いをしても、現実を受け入れる謙虚さを感じたものだ。継続して山で会える仲間は、同様な感性を持つ類だと思いたい。
同じ行動でも、それまで意識しなかった事に気付くことで新しい喜びを感じ、テーマを作れるものですね。 MASA