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Vol.15【9/13表富士山曝走】
5名

9/13朝決死隊5名現地到着。大雨が降っていた。しかし雲が見る間に去り、青空が見えたところで、作戦決行。
須走登山道・標高2000mに進軍する。山上は快晴になっていた。山中湖が池のように眺められ、雲は眼下に広がる。強風のなか降下ルートを必死で探し歩いた。辺り上下に見回り、ようやく東側山肌の斜に敷かれる道を発見。
▼【Stage1】
いきなり急降下。まるで常設DHスタート地のよう。動揺した者もいたか、馬を急き立てるよう斜面に挑む。これまでに未体験の溶岩砂礫路面。快走すれば良いが、減速し過ぎると、深みにハンドルを取られスタックする。前輪ロックすれば確実にクラッシュする。頂上を芯として真反対の精進登山道とはかなり路面状態が違う。
同じ山だと思えない。きわどい操縦に夢中で、路面癖を覚えたところで、眼下の森林限界の雄大な景観が広がる。
ここはナスカか、異星ではないか。そんな感じだった。皆信じられないように驚き、感嘆する。
そこで立ち止まるコーナ直下は、側に遮るものも無い一直線に落ちる急斜道。コースアウトで飛び、砂礫にはまる者あり。皆50km以上のスピードスリルの中で自制心を抑える。恐怖に戸惑い、快感を併せ持つ変な気分だ。きっと皆、緊張顔と、笑い顔を繰返し落っこちて行ったのだ。この初盤ステージは4000mの区間を標高2000mから高差600mを激走。砂煙を上げ、クレーター底になだれ込む勢いだった。
▼【Stage2】
初盤達成の喜びを噛み締め、食事を済ませる。そして残り2/3を行く。またひたすら落ち、多くのジャンプスポットを飛ぶように降りる。そして車道を幾度か縫うように、林間ダートを捜索する。思うように目的ルートが見つからないが、迷いながら、いつもの山道のように駆け回る。五合目より10度位暑いか、もう恐怖は無い。しきりにこぎ回り、広大な自衛隊演習地に入り込む。戦車を見つけその前で記念撮影。栄冠のゴールだ。車中の自衛隊員はちっとも我らをとがめない。降下した富士山を仰ぎ、あんな高さから来たのだと、達成感にひたる。
この日は過激なStage1での興奮で満足した。富士研修所宿舎に戻り、食宴となる。野坂氏はボロクソに疲れ8:00pm前に!寝てしまった。斎藤・松葉両隊員は勤務都合で日帰りした。次の日のさらなる雄大エリア開拓に期待し、グッタリ布団に沈んだ...。そして翌日、黄金ルート発掘なるか?第一日目終了。
第2戦:9/14朝、残留隊3名起床。野坂様のおイビキで睡眠時間短縮。予報は晴れだったのに、山上到着したら、小雨まじりの濃霧だった。
▼【Stage1】
昨日ここは走行済で、白根山の霧洗礼を受けたので、もう行くしかないと。迷いもなく降下。初めの平坦なカーブにハイカーがおり、その驚いた表情を意識し過ぎたか、野坂氏コーナー外にド〜ン!と飛んでいった。自意識過剰か?登山者が見れば、霧の中に吸込まれる我らは異様だろう。行く5m先も見えず、後進からの追突を避けるも、
不安なのか、彼はいつも直後にビッタリついてくる。何も見えない中、ヤケクソで大声をあげる。
下界から見ればここは雲の中。そこでは速度に応じた景色の流れが無く、スピード感が鈍る。勾配角度まで分からない。微かに見る情景は、幻のごとく浮かび見え、夢の中で漂うような、なんとも不思議な気分だった。またこれも貴重な体験だろう。濃霧で撮影不能、休憩もせず、体温が冷ぬように、ただコギまくる。湿気で路面締まり早く走れ、気がつけばゴール駐車場が見えた。昨日の2/3の時間で第1ステージ走破。
▼【Stage2】
雨の中、休憩場軒下で食事。空の明るい部分を探した。しばらく天気待ちで雨足おちた頃合い見計らい、再出発。林間では雨は気にならず。またジャンプ道の跳躍にチャレンジ。そして未開本格ダート探索に向かう。注意をこらし当たり見渡せば、昨日見逃していた廃道を発見し薮をかき分け進入。たまにはと野坂氏に先頭を譲ったが、しばらく行けば何の障害もない丘で彼は大転倒していた。苦笑し立ち止まり、ふと木々を見渡すと、なんとも自然美に満ちた森だった。上下行程リズムよく続く、操縦が楽しいルートだ。そしてまた新たな枝道を選び、
薮に絡まらぬよう駆け車道に着く。[第3爆破所]へ進入。砂礫の荒野に出た。ここなら本格的に戦争ごっこができるわけだ。そこでゴール東方面のダートを選択。変則に方向を変える道筋は、勾配は浅いが、こがずに進める延々に続く道で、迷路のような愉快なダートだった。
[第1・2射撃場]までようやく辿り着き、地図で現位置確認。まだ違う道が終点に続いている。最後までダートを楽しみたい。引き返し穴のような細道を見つけ挑む。雨後は沢になりそうな、まん中に落ちないように進む。そして前方明るくなったあたり、大空が開け昨日の野戦場に辿り着いた。
第昨日は自衛隊演習区間を避けたが、今日は自衛隊も休日。2日目は地図にあれど朽ちた道もあったが、立ち往生も苦しい登りもなく、快走ルートを開拓できた。失敗リスクと目的達成は、いつも背中合わせ。分岐選択で成功確率に賭け全てクリアした。探索走はフットワーク軽い分、少人数が向くのだ。
霧や雨が降ろうと探索目標一心だったこその成果だろう。全行程15km余り、個性ある5ルートを走破し感無量だった。終着地では、天の祝杯か、ビールかけならず、ドシャブリ激雨を浴び全行程・黄金DHルート完結。
帰り高速渋滞は30kmもあり、いつもは寝てしまう野坂氏も、成果の喜びにひたり、山走りの醍醐味について話していた。霧雨の中で他の観光客は何をしていたのか、ともかく「きっと我々が一番、富士山を楽しんだのだ」と思えた。
MASA