しばらく快適に進み豆口峠を経て、また大股の木段道を落ち進む。林間出たとたん明るくなり竹寺へ降り着く。古都山寺の風情。ここへの再来を嬉しく思う。
寺の縁台にて昼食をとり、檜板で寝る。荒行の骨休みである。また休まれば境内を観光し、竹林の彩りに心和らぐ。神聖なものに触れた思いになり、稀で長い大休止だった。
そして登りから尾根巡り。小殿分岐をやり過ごし、幾つも薮を抜ける。動悸激しく足取りもたつく頃、西側が開け向かいの山々が並ぶ。ここからは記憶の道とは違う、空の電線を追い進み、尾根縦走路を探す。正規の道は突端の鉄塔左隅に在った。
ここからが開拓だが思いのほか順調。迷い無く林道まで駆け落ちる。接続路は間近だった。初の者は落ち込む導入を信じぬが、ここからは記憶を辿り急降下。上り下りを幾つも繰り返し登戸山へ。
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