【MASA編】
ここ奥多摩1000m級山は里よりも随分涼しい。一年越しで久しぶりの尾根道だった。爽快さに喜び、有頂天で駆けるが標高下るごとに暑さ増し、まるで自ら夏にへ駆けるようだった。程よくヒートした頃、連山眺め飯旨しであった。
あらためてここの路面変化に富むルートに感心しながら、昔よりも皆格段に早くなったのではと思えた。女性2名もめげずに進み、何の心配もなかった。威勢良く終盤に差し掛かる。
最終茶屋からは、昨年より見つけた愉快なはずの道程へ進む。伐採を抜け下界を眺めながら行くが、昨夏と大違いの深薮に驚く。かなり荒廃が進み、茂みにヤケクソ突進すれば強烈な草トゲが皆の肌をさした。無数のキズと暑さを癒すため清流を目指そう。
以前より狙っていた渓谷へは降りる場所が限らるが、どうにか導入を探し運良く自然のプールになだれ降りた。清らかな深みに身を浸せば、クールダウンを過ぎる程の冷たい水流だ。それは東京の川なのに、と驚くほど。巷の子供達の夏休みより一足早く、避暑地に戯れる我らは無邪気な少年少女であった。 MASA