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Vol.03【8/18:石尾根・霧の荒修行 編】
3名
【KAWANO編】前日の富士見パノラマ6本走行で酷使した体に鞭打ち、それでも行きたかった奥多摩戦。なぜなら久しぶりの開拓戦だったからだ。斎藤氏との2年越し再会も嬉しかった。雨と霧のちらつくスタート地点、危険じゃないかと不安になる中、隊長が近隣集落の住民に、この天候は大丈夫の太鼓判を押してもらう。安心して山に突入できた。やはり、地元住民の情報収集は確実だ。
実際、時折雨がちらつくも、びしょ濡れになることはなく、木々に守られながら走ることができた。むしろ本当の敵は虻・蜂などの虫。3箇所刺され腫れた。高い湿度も強敵だった。
滝のように出る汗が、体にしたたる。水分を補給しないと間違いなく脱水する。担ぎ・押し登りで2時間15分、ようやく頂上直下の山小屋に辿り着く達成感は、乗り越えてきた者にしかわからない充実感である。
気温21度。びっしょり濡れて着替えを一新し、山小屋でのしばしの休憩。そして既に2時を回っていたのですぐに出発。登頂はあきらめ、巻き道ルートで下る。しかし凄い!ブナ・メープルなど原生林の恩恵を受けた道はフカフカで、腐葉土状。心地よくタイヤが滑り、登りの苦労を吹き飛ばすような快走をさせてもらった。
富士見パノラマで言うならA・Bコースを複合した印象。ただ違うのは自然剥き出しのコース。ちょっとしたブレーキングミスや油断が谷底へ直結するセクションもあり、全てが自己責任のスリル。そうした下りは実に7kmにもおよび、最高の自然のダウンヒルであった。
あいにくの天候と思っていたが、山に入ると霧が美しく、コケ類が生き生きし、クモの巣にしたたる雨露がキラキラしていた。幻想的な風景は、晴天では見ることのできない、ありのままの自然。来て良かったと心から思った。そしてその晩は泥のように眠った。KAWANO
【サイトウくん編】今日はすごくひさしぶりに、ヤマモトのおっちゃんと▲に自転車をのりにいきました。集合場所にはやくついて、同級生のカワノくんをまちました。1時間まったら、カワノくんのクルマがかっちょよくなってました。はやくのりたいので準備をして、スタート地点にむかいました。

そしたらヤマモトのおっちゃんが何回も、スタート場所をまちがえて、すごいジャリ道を走らされました。おかげでボクのクルマは、でかいジャリのせいで下ががボロボロです。なきたいです。

スタート地点についたら、小雨がふっていました。ボクとカワノくんは「のりたくないねぇ」と、アイコンタクトしたけど、ヤマモトのおっちゃんはそんな二人の空気をよまずにどんどん一人でいっちゃいました。

おっちゃんは先に進みつづけます、ボクらは「登りってやだよねぇ」っておっちゃんをうらみました。しかし、おっちゃんが突然、スローダウンしました。アブにさされたおっちゃんの足をみたら血が出てはれてイタそうでした。
でもおっちゃんは▲にいくと、おバカになるので、痛いのをがまんして登りつづけました。2時間ぐらい登っててっぺんの山小屋にやっとつきました。
もうおなかがペコペコだったのですぐお昼をたべました。お昼のあとは、ダウンヒルだけど山小屋までの登りでみんなつかれてダウンです。これがほんとのDown昼ってやつかな。

久しぶりの▲だったので、下りはじめてからさらにぬれてるから恐いなぁって思いました。
でもやっぱりクネクネのスイッチバックがたくさんあっておもしろかったです。道がぬれてなければもっと楽しかったかな。

下りはじめて半分ぐらいのとこでボクの自転車がパンクしました。チューブレスだから低圧にしたせいです。
代わりのチューブはもってきてないしどうしようとおもってたら、カワノくんが「これ、使いなよ」ってチューブをくれました。このときはカワノくんが天使にみえました。ありがとね、助かったよ。

それにひきかえ、おっちゃんは「はやく交換しね〜と日がくれるぞっ」ってヨコであおられました。おっちゃんは悪魔にみえました。
でもおっちゃんは、ぶーたれながらも交換をけんめいに手伝ってくれました。これで最初の道まよいはチャラにしてあげます。

なんとか修理できて、無事おりてこれました。けっこう道がくずれてたりして、あぶないとこもあったけど、スピードも出せる場所もいっぱいあってすごく楽しかったです。

おっちゃん、また連れてってね。カワノくんまた遊ぼうね。ことしの夏休みの一番のおもいでです。サイトウくん
【MASA編】夏もはや終盤、奥多摩湖天気は明るい曇り。しかし入山から高度増しては雲中に入り湿度も凄い。押担ぎ続きで鞍部に這い上がり2時間位かけ石尾根1650mの山小屋に着く。尾根伝いでは黄花のアルマダケブキが一面に群生し、歓待されたように嬉しく思う。
予定遅延で昼食休みも程々に、展望不能で登頂せず巻道を往く。霧の道程は30m先も果ては谷側下方も見えず、幻想を見るようだ。石尾根全縦走するには時間もなく、水根山直下から湖を目掛け進む。やがて本格DHが始まるのだが、先が見えぬ上に。いい加減にして欲しいほど長く降下し緊張ともに絶句してしまう。
そして休息の間、東京で有りえぬブナの森に居る事に気付きその雄大さに感心した。越年の落葉が多く残るのも高山特有で、葉を分解するバクテリアが少ないから。そして転倒しても腐葉土が厚く痛くない。優しい柔らかクッションなのである。それからは道に慣れ覚醒し、景色を覚える余裕もなく駆けた。驚喜のまま体験密度の高い7km荒行を完結できた。
霧の山など予報で選べるわけもなく、淡き景色を体感できたと思えば良し。我々は雲中修行で、落ちてきた孫悟空の弟子達である。達成感ともに歴走トップ確定ルートであることは間違いなさそうだ。MASA